はなのうきばし

徒然なるままに、そこはかとなく。

ハンガリー語を選んだ理由

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                                photo by とうや

大学でハンガリー語を勉強して以来、冗談ではなく100回くらいは「なんでハンガリー語を選んだの?」と聞かれてきたと思います。会う人会う人国籍問わずみんなに聞かれます。

 

日本人にとってハンガリーは馴染みのない国かなと思うので、なんで?と聞かれるのは分かるのですか、外国人やハンガリー人にですら必ず聞かれます。

恐らく理由としては、ハンガリー語は世界一難しい言語と言われたり(諸説あり)、ヨーロッパ諸国の言語の中でも語族が他とは違い、独特の変わった言語だという認識があるからだと思います。

ポーランド語を勉強していても、みなさん「ハンガリー語習得できたんだからできるよ!」と励ましてくれます。

 

あまり需要はないかもしれませんが、珍しい言語を勉強するに至った経緯、そして勉強してみてどうだったかを書こうと思います。

 

  

ハンガリー語に出会ったきっかけ

私がハンガリー語を選択したきっかけは単純で

①ヨーロッパに留学したかった

②珍しいことを勉強して極めてみたかった

この二つが主な理由です。と表向きには説明しています。

 

ただ正直に言ってしまえば偶然が重なった成り行きでした。

もともとヨーロッパに留学したいという夢があり、漠然と大学でイギリスに英語留学しようかなと考えてました。でも高1の時に外国語学部では色んな言語が勉強できると知って、それなら珍しいヨーロッパの言語を勉強するのも面白そうだなと思い、英語以外の言語を考えるようになりました。

 

最初は珍しいかつヨーロッパという条件だと、社会福祉に優れたスウェーデンに興味があったので、スウェーデン語専攻を目標に受験勉強をしていました。センター試験まではスウェーデン語専攻のつもりだったので、ハンガリー語は存在してること自体知りませんでした…

 

しかしセンターの結果が芳しくなく、このままでは足切りに合うということで、別の言語での可能性を探り始めました。その時にふと「ハンガリー語」という文字が目に留まり、なんとなくそれを書いて成績判定に出したところスウェーデン語より受かりそうな感じだったのでハンガリー語を選びました。

 

願書を出す時点で専攻後までは決めないといけなかったのですが、私の中ではヨーロッパの国に行きたいというのが最優先だったのでハンガリー語への変更は特に抵抗ありませんでした。

両親も私の選択に理解があり、特に反対されたりすることもありませんでした。

 

入学してからどうだったか

入学初日、ネイティブのハンガリー人の先生のあいさつを強烈に覚えています。恐らく生まれて初めてハンガリー人を見て、ハンガリー語を聞いた日でした。全く何を言ってるか分からず、ほんとにこれが分かるようになるんだろうかと少し不安にもなりました。

 

ですがハンガリー語専攻で学ぶこと全てが初めて聞くことばかりで、何もかもが新鮮で楽しかったです。

ハンガリー政府はハンガリー語の保護・教育に力を入れていることもあり、ハンガリー政府の奨学金で一年間留学することもできました。ヨーロッパに留学したいという夢も叶い、卒業するころには、入学初日に意味不明だった「音」は「言語」として認識し、理解できるようになっていました。

 

今になって思うこと

今は、ハンガリー語専攻で学んで良かったと思っています。言語だけでなく、ハンガリーという国も大好きになって未知の世界への扉を開けましたし、中東欧だからこそ知れたこともたくさんあったと思います。

念願だった留学も政府奨学金でできて、そこで今でも付き合いのある友人もでき、何より今の夫と出会うことができました。ハンガリー語との出会いは私の人生を変えたと言っても過言ではありません。

 

適当に選んだ専攻語でしたが、何かを始める目的なんて適当でも問題なくて、他人からは役に立たない・変わったことを学んでいると思われていても、そういう経験こそ人とは異なる視点を与えてくれたり、知らない世界を見せてくれるんじゃないかなと思いました。

 

きっかけは適当でしたが、最終的にハンガリー語を真剣に学んだ5年間は私の人生でかけがえのない経験となりました。 人生何があるか分からないです。

 

今はなかなか難しいですが、早くまたハンガリーに遊びに行きたいです。

そして、この記事を読んで少しでもハンガリー語やハンガリーに興味を持って頂けたら嬉しいです。