はなのうきばし

徒然なるままに、そこはかとなく。

クリスマスの食事

12月24日はクリスマスイブ。

この日の夜は家族で食卓を囲み、美味しい料理をこれでもかと言うほど食べます。ポー

ランドでは24日~26日がクリスマスになるので、基本的には、それまでに大量に料理してこの3日間はそれらを食べます。日本の三が日のおせちのようですね。日本では最近はおせちも作らずに注文したり、お正月でもお店が開いてるので外食したりで、おせちを食べる文化も薄くなっているかもしれませんが、ポーランドでは今でもだいたいのお家では手料理を用意して盛大にお祝いします。

とても大事な行事の一つなので、伝統料理もたくさんあります。各家庭でそれぞれ定番となっているクリスマスの料理もあるようです。

今回は、我が家(夫の家族)の料理を中心にクリスマスの食事について、ご紹介したいと思います。

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目次

 

どれくらいの料理を用意するのか?

 まず、イブの夕食では「12品目」の料理を用意します。12品のお品書きが厳格に決まっているわけではないですが、用意された12品を一通り全て食べると、来年もイブの夕食では12品目が欠けることなく頂けると言われています。

ですが我が家は割と適当なので、12品をあらかじめきっちり数えて作りません...笑

なので毎年「足りない!」となり、デザートやコンポートなどのドリンクも1品とカウントしてなんとか12品目揃ったということにしています。

 

どんな料理を用意するのか

別の記事でもご紹介しましたが、24日の夕食で魚以外の肉を食べません。(豚肉やソーセージなどは25日から登場します。)

tavaszi-szel.hatenablog.com

食事の流れは「スープ→メイン→デザート」です。ここからは、特徴的な料理を中心にご紹介したいと思います。

 

スープ

ポーランドの伝統的なスープと言えば「ジュレク(żurek)」などがありますが、クリスマスの時は「バルシチ(Barszcz)」というビーツから作ったスープや「キノコスープ(zupa grzybowa)」を食べます。バルシチを食べる家庭のほうが多いそうですが、我が家はキノコスープです。(私はあまりバルシチが得意ではないので、有難い)

クリーミーでキノコ臭さもないのでとても美味しいです。

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キノコスープ(zupa grzybowa)

ですがご覧のようにスープ皿が丼鉢くらいの大きさなので、私はいつも器の半分ぐらいだけ注いでもらうようにお願いしています。この後にメインディッシュが控えていますので、スープだけでお腹を満たすわけにはいきません。(他の家族はこの器いっぱいのスープをペロッと食べてしまうので驚きです)

 

メインディッシュ

鯉 ( karp: カルプ)

メインディッシュは魚ですが、その中でも欠かせないのは「鯉」です。鯉って淡水魚で美味しくなさそうなイメージがありませんか?

そのイメージ通り、全然美味しくないです。これは食べなれていないからそう思うのではなく、ポーランド人でも美味しくないと思ってる人が多いようなので、例え口に合わなくても理解してもらえると思います。美味しくなくても、伝統的にクリスマスには鯉を食すので、例え美味しくないと思っていても必ずテーブルに並びます。我が家は毎年「鯉のフライ」を食べます。フライにしても何とも言えない味です。

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鯉のフライ (Karp)

ニシン ( śledż: シュレジ)

ニシンは日常的にポーランドで食べられている魚で、玉ねぎと一緒に酢漬けやオイル漬けにして食べることが多いです。サワークリーム漬けのものもあり、どれもスーパーでも普通に売られています。お刺身はなかなか食べれないですが、酢漬けやオイル漬けにされたニシンは、しめ鯖のような触感でとても美味しいです。特にオイル漬けのものは塩辛いのですが美味しくてついつい手が伸びてしまいます。

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ニシンのオイル漬け (śledze w oleju)

 

魚のゼリー(galaretka z ryby)

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魚のゼリー(galaretka z ryby)

これはスープの素(ニンジン、根パセリ、根セロリなど)にスパイスを加えたものと魚をゼリー状にしたものです。日頃は豚や鶏肉などが中に入ったものもあります。

魚はサバやスケトウダラなどが多いようです。日本の懐石料理に出てくる「出汁の寒天寄せ」に雰囲気は似ています。このままでも美味しいですが、私はレモン汁をかけてさっぱりと食べるのが好きです。

 

ギリシャ風の魚 ( ryba po grecku )

ポーランドは生でこそ魚は食べませんが、海魚・川魚ともによく食べられています。

鯉やニシン以外だと「タラ」「スズキ」「サバ」「がクリスマスの料理として並ぶことが多いです。(サケも良く食べられますが、クリスマスにはあまり登場しません)

そしてこの「ギリシャ風の魚」はタラなどの白身魚にすりおろしたニンジンが乗っている料理です。もともとギリシャでは「ポーランドの魚」という名前の白身魚をにニンジンをのせて食べる料理があるそうでそこからこの料理の名前が来ているようです。

白身魚なのであっさりしてるかと思いきや、フライにされているので少し脂っこいです。

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ギリシャ風の魚 ( ryba po grecku )


 その他の料理

その他はジャガイモや豆、キャベツを使った料理です。

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豆のバター煮 (fasola jaś z masłem)

「ファソラ ヤシュ」という豆を煮て、溶かしたバターをかけたもの

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サワークラウトとキノコ (Kapuszta z grzybami)


デザート

食後はデザートにケーキやクッキーもあります。ここまでくればもうお腹がはちきれそうになっています。脂っこい料理をたらふく食べたことにより胃に漬物石でも入れてるのかと思うくらいお腹が重たくなりますが、ケーキなどが食卓へ運ばれてきます。

 

ピエルニク (Piernik)

なかでもクリスマスの定番のピエルニク (piernik)というジンジャーブレッド は必ずあります。クリスマスを彷彿とさせるシナモンのような独特の香りを放つピエルニクは、ケーキの姿で見かけることが多い気がします。見た目がチョコレートケーキのようなので、チョコだと思って食べて全然違う(´;ω;`)となって以来、私はあまりこのピエルニクが苦手です。なので食べてるふりをし続けるわけですが、このピエルニクもクリスマスには欠かせないお菓子です。

 

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ピエルニク (Piernik) チョコがかかっています

セルニク (Sernik)

セルニクとはチーズケーキのことです。ポーランドはチーズケーキ発祥の国と言われており、どこででもこのセルニクを見かけます。ベイクドチーズケーキという感じですが、使われているチーズがクリームチーズではなく「カッテージチーズ」なので、あっさりした口触りです。とはいってもチーズケーキは日本人にも馴染み深いので安心感を与えてくれるケーキです。

 

マコヴィエツ (Makowiec)

マコヴィエツはレーズンなどのドライフルーツとケシの実をイースト記事でロールケーキのように巻いてオーブンで焼いたお菓子です。ハンガリーでも「ベイグリ」という名前でクリスマスに時期によく食べていました。ケシの実にあまり馴染みがなく少し癖があり、また色が真っ黒なので初めは苦手でしたが、何度か食べてるうちに好きになりました。ハンガリーでの生活の影響もあり、個人的にはマコヴィエツが一番クリスマスを感じます。

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マコヴィエツ (Makowiec) フィリングとなるMak(ケシの実)の袋に写真が載っていました

 

コンポート (Kompot)

コンポート言えば、果物を砂糖で煮て作り食べるというものと思っていたのですが、どうやらポーランドではコンポートは飲み物のようです。

色々な果物にお水と蜂蜜や砂糖を加えて火にかけるだけというシンプルなものですが、果肉入りジュースのようで美味しいです。温かいものも冷たいものもどちらもあります。

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コンポート (Komport)

 

最後に 

 コンポートを除けば紹介した料理はデザート含め12品となりましたがいかがでしょうか。他にも定番ではあるけれどなぜか我が家では食べない料理も数品あるようですが、私は毎年料理にも何かしらの発見があるので楽しく頂いてます。

クリスマスでなくてもポーランド料理のレストランなどで食べれるものばかりですので、気になった料理があればポーランド旅行の際に食べてみてください!

 

Wesołych Swiąt!